PHOTO,VIDEO&TEXT : HIRO MURATA (TOKYONUR / Hiro Murata)
・Master Works // Wekfest Japan 2021
■Chapter.01
実に2年ぶりの開催となったWekfest Japan。昨年はCOVID-19の影響を受け、5月開催からの9月への延期、からのキャンセル。そして2021年は”With Corona”として新たな生活スタイルが定着し、開催可能なビジョンが見えていたのだが、4月に入り日本の感染状況が急激に悪化を辿り緊急事態宣言が発令。
Wekfestは格式の高いCar Show=Indoor Eventであることが、換気対策という面で開催の可否をより困難なものとした。
イベント自体は感染対策をとることで建前としては開催が可能だが、そこに日本中からBuilderとSpectatorが集まる。そして、その中には主催者意図が伝わらずに、”仲間で集まっての宅呑み”や杜撰な意識をもつ人達もいるかもしれない。しかし、いざ会場を訪れてみると、これまでには見られない光景として多くのヒトが屋外エリアでDistanceをとり休んでいる姿があった。WekfestのCommunityのMindは決して悪いものではなかった。
■Chapter.02 // INAZUMA WORX Pandem AE86 Levin 1UZ
クオリティー、アイディア、タイムコントロール(納期)、全てにおいて抜け目がない、Mr.PerfectといえるINAZUMA WORXのIkeda-san。 内外装、パーツセレクトの全てが完璧。
TraditionalなTRD LiveryとPandemというセレクトは、硬派なイメージのIkeda-sanのクルマとしては多くのヒトが意外と感じたはずだ。そして、Engineは1UZというセレクト。そして、このRacingなLooksでありながらTank LessのAir Cupというのが究極のShow Car BuilderのINAZUMA WORXらしさと言えるだろう。
Ikeda-sanとしては、スワップするにしても別に珍しいEngineでもないし、去年の5月の段階でこの状態になっていたので、その後やれることはあったけど、ひとまずの区切りとして2020年5月版として1年越しのお披露目となった。
TRA-KyotoのMiura-sanもIkeda-sanのBuildを見て『カッコ良く作ってくれてありがとう』といった表情だった。今後この2人の天才によるコラボレーションを期待せずにはいられない。
当然のごとく、Best Toyota、Best Engineeredの2冠を獲得。(総合Awardは主催者方針により今年は無し)
そして、Ishikawa Bodyを始めとしたいつものドタバタ愉快な仲間達名義でもある、TEAM JAM OZ SUNもTeam Awardも獲得した。
Ishikawa Body編は別途Feature Postを製作中。近日公開予定。
■Chapter.03
一部のTeamが辞退を発表するなか、Lowered 2 PerfectionとLEVEL oneはTeam内でも参加Crewが割れた。
常連のLowered 2 Perfectionは、『Hondaらしさ、無限らしさ、Spoonらしさ』といった、定着した高水準な定番のスタイルとして幾度となく見かけてきただけに、 カメラを構えず通り過ぎてしまうことが多いが、 両サイドをEuro車両に挟まれて孤軍奮闘となったL2P TuketanのDC2が目に入った瞬間に思わず足を止めた。
これまで通り無限MF10だが、今回の為にMF10コレクションの中の1セットをスパッタリング加工。
(LOJ-Shun-kunのModel 5偏愛と争うレベルで、MF10をコレクションされている)
TraditionalなStyleを尊重し、派手なことはしないL2PのCrewとしての意外性。そして郷に入れば郷に従えとも表現すべきかShow Carとしての色気が増していた 。
意外なことに初のIntegra / RSX Awardを獲得。派手なことをしない熟練の人達が、Awardを獲得する姿を見るの嬉しい。これで、心置きなくYouTubeを見ながら大声でブラジルの警察官の真似をすることができるはずだ。
LEVEL oneからはAccord TourerとShun-kunのS14の2台がEntry。嫉妬深い?執念深い?Kumichoは”えっえっドリ車で?”なんて言ってそうだが、Shun-kunは昨年Self Homageとして完成させたS14をこの舞台に並べることが叶って良かったね。
■Chapter.04
会場内で輝いていた数台をPick Upしてみようと思う。
・Chromesphen B210 Sunny
2年程前、4AG ClubのSato-sanのGaregeを訪れた際に、『今お客さんのクルマなんですけど、Sunny作ってるんですよ』っという話を聞いていたB210 Sunnyがお披露目された。
今回はOwner不在により、Sato-sanが代理エントリーというかたちでWekfestに持ち込まれたが、その造り込みの素晴らしさに、搬入前の待機スペースでTRA-KyotoのMiura-sanも思わず足を止めて絶賛したそうだ。
Body WorkはSato-san(Hachi-Farm – SNR)が担当し、Engine Partsは埼玉の奇才Motegi-san(Motegi Motors)のコンビというお馴染みの間違いないの無い共同作業の作品だ。
・Secret Base Miyoshi’s “Mid Engine” AE86 Levin
AE86界隈、4AG界隈だけでなく、全ての層にリーチしたといっても過言では無い、 4AGをRear Midに搭載したLevin。
前日までの果敢な造り込みも虚しく手押しでの搬入となったが、TRA-KyotoのMiura-sanも大興奮で、Lukeをはじめとした訪れる友人を連れて・・・
“これ見て!ほんまスゴイわ!”っと興奮に包まれていた。
Miura-sanは自分の足でEventに出向き、目を光らせ、Builderから刺激を受け日々のイマジネーションを高めていくのだろうね。
・Mr.Adachi=Hardcore Jun’s Pandem R33
お馴染みのRendering画像での発表を見た時は、”ブリスターフェンダーでも無いコレはどうなんだろう・・・”っという疑問は感じていた。しかし、実体化した車両を見ればその疑念は全て消え去った。
良いじゃん良いじゃんサイコウじゃん!。しかも”悪”なPhilosophyとも強烈にマッチしている。”超悪”なStyleとなった33がDriftする姿を早く見たい。
帰路のSAで偶然遭遇したが、夜のInteriorも物凄く色気があった。
■Chapter.04
近年のMiura-san作品の中でも、非常に評価が高いFC3SのPanem Kit。
Nostalgyを感じさせるRacing Beat Bonneville Liveryと組み合わせられるWheelはVolk Racing Gr.Cをオマージュした21CというRetorospectiveなパッケージング。
ここ数年増加傾向にあるWekfestの上澄み勢によるHot Rod Custom ShowへのChallengeだが、この1977 SciroccoもHRCS 2017 Entry Carだ。
物凄く時間をかけて製作されたクルマであり、Show Carを製作するうえでの指針となる。WekfestにEntryする若い世代達にもRod Showを目指すMindが欲しい。
山梨のPicassoが作り上げたAcura NSXは実に静かに大人しく自走で搬入された。余りにも素晴らしすぎる排気音だが、音量制限で走ることが可能なサーキットが限られる。サーキット専用車なのに、同様の理由で断れるZonda Rと同じである・・・
そのフォルムに溶け込み過ぎてて気付くことが困難だがEF9のBumper?がMixされたCR-X
Old Schoolな300ZX(Z31)
Nakajima Nationの友人の1人であるYanagi-kunのEG6は、数年前のWekfestではSpectator Parkingに停めているのを目撃したことがある(当時はSW388 LookのRegamaster)。幾度となくCrashを繰り返した箱だが、Show Carへと仕立て上げた。
現代のSW388は割れない(はず)なので、あの姿を再び見せてほしい。
現代のSW388と同じくMade In JapanのTan-Ei-Syaで製作されているRegamaster EVOを履くFD3S。
CP系のEVOはまだ販売開始から25年以上経過していないが、型式的にはCN/CP系で一括りなのだろうか?
Moontech制作のLS SwapのE36。この組み合わせはSeatleのVideographer “ZWINGFILMS”ことZachのDrift E36を彷彿とさせるが、こちらはShow CarとしてBuildされたCleanな仕様だ。
AP Garege制作のClassicalな2台。
ConceptはRAV4にPelican CargoをMount。PericanのCargo Lineは本国でも入手が困難なアイテムだ。
キャノーラ油屋さん・・・ではなくてOzawa ReportはSprinterと86 Racing。
屋外にBoothを設置するVendorが増えたのも2021年の特徴だ。
■After Word
今回のWekfestでは参加を辞退した車両がAward対象になっていた部門に関しては、Award自体をキャンセルする措置が取られた。つまり、ライバルがいないからアッサリとAwardを獲得できるということではなかったのだ。また、総合Awardに関しては、本国のジャッジが来日できなかったということを理由にキャンセルされた。
Indoor Car ShowとOutdoor Car Show。 その頂点に存在するのがMooneyes Hot Rod Custom Showだ。
そこにあるモノは圧倒的な格式と、そこでしか見ることの出来ない技術と造り込みの凄み。半端なことは一切許されない聖域であり、その敷居は非常に高くJDM車両の猛者達ですらEntryすることを躊躇させる。
とは言えWekfestがそのクオリティーを全ての車両に突き付けているわけではなく、StanceなFriendly Car Showとの橋渡しとも言える役割を担っていると感じることが増えてきた。
2019年のHRCSでIshikawa Body製作のS13 SilviaがBest Radical Awardを受賞したように、Wekfestが育てたと言っても過言では無いBuilder達が大舞台でその名を轟かせているからだ。
若い世代のEntrantには狭いコミュニティーにとじ込まらず、異なるカテゴリーの究極の車両から受けた刺激を自らの創作意欲に取り込んで次のレベルに昇華させて欲しいという主催者意図はあるはずだ。
Wekfestが日本で開催され続けている限り、世界に胸を張れるBuilderが今後も誕生してくことになるだろう。