DRIVE,PHOTO,VIDEO&TEXT : HIRO MURATA (TOKYONUR / HIRO MURATA)
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・Honda Talon Wins Its Class in NASC Lotte Super Taikyu 2h Race 2021
■Chapter.01
日本発祥の”Dirt Dependence Party”というDirt Community。コレはMade In Kanagawa-PrefectureのTundraを中心に自然発生的に集ったCrewによって形成されている。
そのDDPが縁で繋がりをもったMSY TradingのMasaya-sanからOfferをうけ、NASC Lotte Super Taikyu 2h Raceに参加することとなった。
参戦車両はHonda Talon 1000R。TokyonurでもDDPや今冬開催されたNASCのWinter Circuitで何度か取り上げてきた最新のSxS(サイドバイサイド)だ。
Honda Talon 1000Rはその名前の通り、Hondaの2輪用のNA 999cc Unicam OHC 4Stroke Engine(Africa Twin)をMid ShipにMountしている。
このEngineは日本の本田技研熊本工場で生産され、組み合わされるTransmissionは6-Speed DCT。DCTというとハイパーカー系の車種を彷彿とさせられるが、HondaにはVFR等で培った2輪のDCTの技術があるということを思い出させる。更に、Electric Power Steering、EBD(Electronic Brake force Distribution=前後ブレーキ配分制御)といった基本的な電子デバイスに、17.7Inches Travel Suspensionが組み込まれる。
流用と言ってしまえばそれまでだが、日米Hondaの4輪2輪の技術を思う存分応用して設計されたクルマなのである。(フレームやアーム類は当然専用設計)
確かに、SxSが流行りたての頃はDesign面で洗練されたものが少なく、GolfcartとATVの延長線上のようなSxSが多かったが、HondaがこのCategoryに参入したことでDesign面での競争も激しくなっている。Honda TalonはClass 1 Buggyと近未来感を程よいバランスで融合させている。近未来感が強すぎるメーカーも多いのも事実だが・・・・
補足として装備品も初めに記しておこう。普段私はRaceをすることはないが同乗撮影用でHelmetは所有している。Dirt Race用のForced Air Systemに対応したBELL製のものだ。
現行品は上方送風だが、私が所有するDiscontinuedされたモデルは左右からの送風となる。箱車に乗った場合、上方送風だとダクトがRoofに干渉する可能性があり、必死になってDiscontinuedモデルを探したというわけだ。
■Chapter.02
今回のRaceは2時間の耐久で、Class別けはJimmny Class、Hanawa-sanの2UZ(V8)搭載の Earth RunnerやBuggy車両とSxSが同じClassとなるOpen Class(事実上のUnlimited Class)の2-Class混走となる。
“もう一人のドライバーが見つからなかったら2時間1人で走ってね(笑)”
っと、Team Ownerから言われていたのだが、幸運なことに?”踏みちぎるDriver”が見つかったとの連絡が入る。そう、The Check ShopのOtsuka-sanだ。
強力な参戦Packageとなった我々は10位グリッドからのスタート。Pole Posisionは当然のごとくBAJA LegendのHanawa-sanだ。
視界がClearな上位勢とは対照的に、劣悪な視界のなか僅か数周で2位までPositionを上げてきたOtsuka-san。
山肌には未だに残雪が残る涼しげな景色でありつつも、実は灼熱という厳しい暑さが苦しめる。乾ききったConditionの為、散水をしても無駄ということなのか、散水が行われることもなく劣悪な視界に耐えられず多くの上位車両がCourse Off→Stuckの憂き目ににあい、車両回収を待つこととなる。その度にRed Flagが振られ、全車Paddockに戻ってくる。
しかし、戻ってきたTalonの挙動がおかしい。Yellow Flag中に他車から追突され右リヤアームを大きく曲げてしまったのだ。
強烈なトーインがついた状態だが、スペアパーツも無いし修復する道具もない。
“Colin MCraeみたいにチカラ技で治してみます?”
といった言葉に触発されたのかは定かではないが、曲がったアームを修復する為にOtsuka-sanはTalonのアームとSprinterにTowing Beltを接続しPower Playで僅かに改善することに成功したのだ。
見た目的には多少トーインは抑えられたが、Steering Centerは大きく左に曲がったままだ。その状態で再びCourseに戻っていったOtsuka-sanだが、丁度1時間を超えた段階で我々にもSpectatorにも予想だにしない展開が訪れる。
トップを独走していたHanawa-sanがバックマーカーを回避する為にCourse OffしStuck・・・Legendも万事休すで回収車を待つことに。
この段階で我々は首位に浮上したのだが、その後のRed FlagのタイミングとTeam Radio無しでの唐突なDriver Changeのタイミングが悪く、私のスティントの段階で#20のJimnnyに首位の座を奪われる。
Open Classとしての意地を見せたいところだが、Driver Change直後のCourse In Lapでアームが曲がったことによるGeometryの変化に対応できずOverSteerを出し#20にかわされる。(Final Lapにバックマーカーを利用して抜き返した)
Lapを重ねるごとに路面の轍が深くなり、バックマーカーをオーバーテイクする際にRecord Lineを外すリスクが高くなってくる。しかし、我々には17.7InchesのLong Travel Suspensionが武器となり、Course上ではHanawa-san以外に抜かれることは無く、Open Class首位のままFinish。
総合では惜しくも2位となったが、Legendの不運なStuckに助けれらた感は多いにあるが、それもRaceであり結果としてEarth RunnerにTalonが勝ったという実績は素晴らしい。 (Motor and Surf Scramble 2016を思い出してみよう)
日本国内におけるTalonの初勝利だったのではないかな。日本のHonda Racingもこの活躍に注目して欲しい。
コース上で抜かれたのはHanawa-sanのEarth Runnerのみという事実がいかにTalonが速かったかということがお分かりいただけるだろう。
視界は最悪、速度レンジの異なるクラスの混走、バックマーカーを追い越す側、最高速度が90km/h程度のNarrowなコース、という条件だと今回のTalonは最強と言える。
搭乗位置が比較的高いOpen Air TypeのCockpitは、視界の確保という面でメリットが大きい。
視界ゼロの中から突如現れるバックマーカーを処理することが多い場合、Responseの良いNA EngineとDCTの組み合わせはTurboよりも強い武器となる。
そして、不必要に馬力を持て余さない100hp強のEngine Specは、今回のコースレイアウトでの全開率と非常にマッチしていた。
今回のRaceからWheelがMethodのBeadlock付きのModelとなり、安心して轍に30×9.50 R15のGeolandarを突き刺し曲げることが出来る。
このTire Size、私が普段Elementに履かせているサイズ。更にいうと、Talon 1000RのBody Size、WheelbaseはElementと大きく変わらないのである。
レースを終えたあとに、なんかElementっぽかったな・・・っと誰にも分からないであろう謎なFeelingを感じたのであった。慣れ親しんだGeometryのおかげで、NarrowなSectionでのOvertakeやすり抜けもし易かったのだろう。
そして、なによりもRace Air Systemに対応したForced Air Helmetを装着していたということも大きい。Race Air非対応の通常の4輪用Helmetを装着していたOtsuka-sanは、担当スティント終了後に全身汗だくだったが、私は常にHelmet内はDustとは無縁でFresh Airが送られ、頭部に関しては殆ど発汗することがなかったのだ。 夏場に苦しみながらDriftしている人達にもおススメかもしれない。
『そういえば、1月に尾骨骨折しなかったけ?』
そう、実は未だに痛みが取れないのだが、”Honda Talonのシートは優秀”と他のSxSのDriverも評価していたように、路面のUndulationで揺さぶられたり、5メートル程Jumpしても全くもって尾骨の痛みを感じることはなかったのだ。素晴らしすぎる!
よく止まり、よく曲がり・・・すり抜けに必要なボディーサイズとクイックさ・・・
おっと、どこかで聞いたセリフだが、まさに本当に丁度良い設計のホンダなのだ。
アンタら人のクルマでよくそんな踏みちぎれるな!と言わないTeam Ownerに感謝。
Otsuka-sanも走行後に語っていたが
“ほんと、良く出来た良いクルマだよ!”
乗ったヒト全員が本当にこのセリフを言うと思う。
『速いクルマは乗りやすくて疲れない。』
これLe Mans 24h耐久レースのLMP1の車両でもよく言われたことで、Onroad/Offroad問わずEndurance向けの車両は突き詰めるとそうなるのである。
■Chapter.03
サラッと訪れたレースで優勝したり、 スグに壊れて日常生活へのダメージも大きいPre RunnerよりもSxSだよな!・・・とは近年よく言われたものだが、ここまでSxSの良さを実証しても、日本で理解を得るのは困難かもしれない。
その多くは、ナンバーを取得することがほぼ無理ということが大きな要因をしめるだろう。購入したとしても、トレーラーか積載車が必須となる。 購入のハードルは単に比較対象がJimnyだからなのかもしれない。
似たような用途の乗り物を思い出してみよう。ナンバーを取得出来ない乗り物として比較すべき対象はJet Skiだ。Play Groundまでは各々牽引で運び、現地で降ろして遊ぶ。
ほら、なんとなく現実味を帯びてこない?
本国でのTalonのPriceは2名乗車のModelが$19,999から$26,099。4名乗車のModelが$23,999~26,999という比較的リーズナブルな設定となっている。
まるでStealth Marketingのような言い方にはなるが、購入の検討、Jet Skiからの転向を考えているかたは、是非ともMSY Tradingに相談してみると良いだろう。それぐらい今回のRaceでSxSが持つ文化としてのPotentialを痛烈に感じた。
唯一異なる点をあげるとするならば、 海アソビにはGirlsが喜んで帯同してくれるが、砂アソビにはGirlsがついてこない・・・トホホ・・・といったのが現状なのかもしれないが、今回のNASCの舞台となったLotte Arai Resortとのパッケージングとしてはどうだろうか?
Global規格のResort施設なら、そういった泥臭いイメージも多少払拭されるかもしれない。Dirt Raceの傍ではTime TrialやDriftのDemo Runも行われ、HotelのFrontではSuper Car系のEventとRaceを終えたDirt車両が展示され、異なるCategory層にReachしていたはずだ。
そして、ここにOutdoor/Overlander/Campの要素と音楽イベントの要素をMixさせたら観光コンテンツとしても、更に魅力的なものになるのではないかと感じた。NASCのNakajima-san、やりませんか?(笑)
個人的にNiigataという場所は所縁の地でもあり、食べ物も美味しく、景色も素晴らしく、施設も綺麗ということで、春夏秋冬楽しめるのは間違いない。
(ほぼ日本海のMyokoではるが、実は東京から2~3時間だしね。)
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