PHOTO,VIDEO&TEXT : HIRO MURATA (TOKYONUR / Hiro Murata)
・”Attack” Track Day at Fuji Speedway 2021
■Chapter.01
世界トップレベルのTime Trial Event “Attack” には筑波サーキットやSUGOで開催されている”Attack”と、その他のサーキットで開催される走行枠を限定した”Attack走行会”という2つのイベントカテゴライズがなされている。
今回は後者の”Attack走行会”であり、Endless Circuite Meetingとの併催となった。
■Chapter.02
今回のFSWは小規模なAttack走行会とはいえエントラントは実に豪華だ。Fire Ando-sanやYabatan Ando-sanといったAttackではお馴染みの顔ぶれに加え、FSWをHome TrackとするR35 GT-Rが大量エントリー。
そして、この人を忘れてはならない。FSWの主と言っても過言ではない、The Check ShopのOtsuka-san。 これまでTATSU Racingが使用していた911 GT3RSを買い上げての参加となった。この991には個人的な思い入れもあり、THE 911 & Porsche Magazineへの画像提供を行ってきた。そして数々の輝かしい栄光を掴んできた車両でもある。
idlers 12h総合優勝をはじめとし、Hot Version 群サイ、Hot Version SUGOで連勝を果たし、レーシングドライバーからも大絶賛の車両Buildを披露してきた。
Otsuka-sanは、いつにも増してこの日の為に毎日のようにFSWに通い、様々なセットアップ変更をトライしていた。足回りのセットアップは勿論のことロールケージの有無や、ストレートマフラーの有無のチェック。
一方で、エクステリアに関しては時間切れで、フロントバンパーは借り物競争状態の中古パーツというトボケタ仕上げ(汗) 偽Gulf Racing、偽Magnus Walker・・・
しかし、今回のOtsuk-sanには秘策があったのだ。Ando-sanのチームとは一線を画すクオリティーのベニヤ小屋仕様のタイヤウォーマーハウスだ。普段からWECを始めとしたレーシングフィールドの現場を熟知しているOtsuka-sanだけに、本来の正しいTyre Heater Rackの姿は知っているはずだが、短時間でこのシステムを構築するにはコレがベストという最適解に辿り着いたようだ。
■Chapter.03
Ando-sanにとってのFSWは完全アウェイといった感じで、EVOⅨは万全を期してLow Boost設定の慎重なマシンセットアップでのAttackとなったが、見事チューニングカーにおけるコースレーコードを更新する1’35.615を記録した。
そして、いよいよOtsuka-sanのSuper Lapが始まる。
Attack Lapは1周のみのSuper Lapで、1’45.263を記録した。自己ベストは勿論のこと、エクステリアはCup Lookですらない完全フルノーマルの空力で、エンジンもノーマルのNA。Stoptechのブレーキ、パーフェクトにセットアップされたJRZ Suspensionの足回、軽量化(+ロールケージ)のみで45秒というのは市販車のタイムとしては異常な部類に入る。
普段滅多なことでは喜びの表情をみせないOtsuka-sanだが、オンボードでも思わずガッツポーズをするほどだ。努力が報われる瞬間に立ちえたことに感動を憶えた
Pitに戻ってきたOtsuka-san「今の走りで45秒台なら、これ44秒台に入るわ」っとのこと。渾身の1Lapというよりは、さらりと出てしまったタイムということ。これは、あのお手製タイヤウォーマー効果が絶大だったわけだ。「Sprinterみたいな商用VANを売ってる太ったオジサンが45秒台出せるクルマを作ったてのがウチっぽいよな(笑)」と爆笑していた。
同じPitのHigashioka-sanはAttack Lap中に先行車に詰まってしまい無念の1’50.315にとどまった。
筑波では手狭なR35軍団の速さが炸裂するFSW。Auto Gallery YokohamaのToda P-san(1’45.583)、Raman 935-san(1’46.389)は共 にベストタイムを更新。
935R(Kumiko-R)のExteriorは至って普通のMY08(前期)のR35。しかし中身は900馬力。それを手懐けるスキル・・・ しかもToda P-sanのコンマ8秒落ち・・・
Raman 935-sanはPinkのRacing Suiteを着ていることもありその姿は実に目立つ。今回のAttack以前からOtsuka-sanも”935Rは速いよねぇ”っとコメントするほどFSWでも名の知れたLady’s Driverだ。
そしてMysteriousなEntry Nameの”Mama-no-odekare GT-R”(1’49.790)とMotulカラー(1’48.985)のGT500 Lookの2台は見た目でも楽しませてくれる。レーシングな雰囲気、これ大事。
R35軍団は、ほぼ全ての車両がBSのラジアルを履いている。中には履いた状態で自走してくるオーナーもいたようだ・・・・
Otsuka-sanも”なんで35の人達はHoosierを履かないんだろう?”っと首をかしげていたが、車種ごとに存在するであろう仲間同士のレギュレーションなのかもしれない。
R35用のサイズ/コンパウンドの設定も潤沢になってきたので、Hoosierを履かせたR35の一発の速さを見てみたい。
その他の注目車種としては、DouDou-sanのAE85だ。”Aero車だしTurboだし”と安易に表現してはいけない1’46.280という4AGとしては前人未踏のタイムを叩き出した。総合順位でもR35に割って入る4位は見事。
■Chapter.04
Tokyonurとしては今年のAttack筑波の取材をSkipしてしまったこともあり、久々の再会となったのがHoosier Tire 日本総代理店 Deepstage RacingのIshihara-sanとSasaki-sanだ。Fire-AndoのEVOⅨ、Otsuka-sanのGT3RSと今回の総合Top2がHoosierユーザーという結果に実に満足した表情を見せていた。
Hoosier Tireと言えば、2019年にCanadaから遠征を果たしたWillのCivicをTokyonurがMedia Suportしていた際に大変お世話になった。そんなWillも、Gridlifeで大クラッシュしたCivicを再びPikes Peak 2021持ち込む為にChallengeを再開している。
Time Attack Seasonとしては、日本はフィナーレの季節に突入してしまったが、世界にはシーズン問わず戦う舞台が待ち受けている。
■Bonus Images