PHOTO,VIDEO&TEXT : HIRO MURATA (TOKYONUR / Hiro Murata)
・New Generation Is Here!! – Rauh Welt Begriff // RWB Porsche 911 (997)
■Chapter.01
Air Cooled Porscheにおける孤高のカリスマであるRWB Naka-sanの新たな一手。
ついに水冷世代の911にRWBが進出を果たした。Liberty Walk(997)やOld & New(997/996)も水冷世代の911のBody Kitをリリースしているが、やはりRWBが作るとなると世の中の注目も高まる。
とはいえ、997はこれまでの空冷時代のRetroなルックスとは異なり、近代的デザインかつ高級車としての一面を大きく強調したデザイン故に、Nakai-sanとて一筋縄ではいかず最終的なデザインのFIXには時間を要した。未塗装の状態で世に出してTry&Errorを繰り返し、このフォルムに辿り着いたというわけだ。
本来であれば、SEMA Show 2020で大々的にPRされたはずだが、新型コロナウィルスの影響でShow自体がキャンセル。Nakai-san自身が自ら出向いて施工を行うStyleが故に、気軽に国外への往復が出来ない現状では如何ともしがたい状況なはずだ。
でも、こうやってクローズドとカブリオレの2台が日本で公開されたのは、我々日本人としては実に喜ばしことでもある。
完成までに時間を要したとはいえ、空冷時代のWide Body Kitも現代と創成期でBuildは大きく異なる。RWBの歴史を紐解くOld Schoolな文献を読めば分かることだが、TraditionalかつStandardは一夜にして成らずだ。現代のようなフェンダーアーチで切開する方法ではなくヘッドライト頭頂部から大きく切り出す製法だったり、なかなかの衝撃的な製法を見てとれた。
■Chapter.02
Nakai-sanのエクストリームな空冷実験室の意味合いをもつ993 Rotana。idlersのSprint Raceで勝利することだけをTargetに日々進化を遂げている。
レースは5thグリッドから猛烈な勢いでペースをあげるMatsumoto-sanのPhoenix 993。レース終盤、Nakai-sanがシケインでスピンした隙を見逃さなかったMatsumot-sanが背後に迫りサイドバイサイド。
RWB同門バトルに発展したNakai-sanとMatsumoto-sanだが、決してコーナーでは並ばず仕掛けるのはストレートのみ。互いのSafety Zoneを脅かさないジェントルなバトルを繰り広げ、最後はMatsumoto-sanの勝利でレースは幕を下ろした。Nakai-sanいわく「単独1位で逃げてたらレースがツマラナイでしょ」っとレース後のコメントがあったが、ちょっとだけ人間味溢れるNakai-sanの一面を見ることができた。
北米には北米のPorsche Cultureがあり、欧州には欧州のPorsche Cultureがり、日本にはPorscheをテーマとしたGrassrootsなClub Sportの世界にRWBがある。つまり闘うクルマ(ヒト)はカッコいいというわけだ。今後Nakai-sanが997でレースをすることがあるのかは分からないが、それはそれでちょっと見てみたい世界かもしれない。