PHOTO,VIDEO&TEXT : Hiro Murata (TOKYONUR / Hiro Murata)
■Introduction
“Team SugawaraのHino Ranger”
そう未だに呼称してしまうぐらい、”Dakar = Hino Ranger”での印象が強い。
日野自動車のDakar Rally Challengeの歴史は古く、1991年に参戦を開始。その後はTeam SugawaraとしてSemiworks体制に近しいPrivate TeamとWorks活動の歴史を挟みつつ、現在のTeam Sugawaraとしての参戦体制に。そして、Dakar 2024が実に33年目の参戦となっている。ここまで継続した参戦を続けているTeamやManufacturerは、Dakar Rallyの全エントラントのなかでも稀有な存在だ。
Dakar 2024に参戦する車両は、2020年に初投入されたBonneted StyleのCabinをもつ、HINO 600 Seriesをベースに、更なる戦闘力の向上のためのModifyが施された。
かつてのDakarのCamion ClassはCab-over Styleが主流であったが、ここ数年は実験的にBonneted Styleを送り込むTeamが増加。日野自動車としてもDakarの伝統でもあったRanger名義での参戦の歴史に終止符を打ってまでして、北米で展開しているHINO 600のBonneted Styleを取り入れることになった。
Dakar Rallyの様々な地形、Dune、Silt、Rock、Hi-speed Stageでの適正な重量バランスと搭乗員の疲労軽減にBonneted StyleのCabinが貢献している。
■Test Day
今回のTest TrackとなるQuarry PlantのPeakに、DustyなFlat AreaとMiddle SpeedのRock Sectionという、中東を舞台にしたDakar RallyのTerrain Conditionの一部を再現。
Camion Class車両全般に言えることだが、外から見たり、構造上の想像をすると、物凄くRoll Centerが高そうな位置にあり、Roll Overをしないか肝を冷やすが、いざ同乗させて頂くと、その感覚は全て消え去る。
Bonneted Styleに変更されたことも、貢献しているのかもしれないが、実に普通車に乗っている感覚と近しいのだ。Suspensionも、激しくストロークして沈んで前傾したりロールしている感覚も少なく、かといって固い乗り心地というわけでもなく、終始安定している。
それは、意図的にTail Slideさせるような意図的なRoughな走りをしても、物凄く低い位置にRoll Centerがあるような感覚であった。
今回の私の同乗でSteeringを握ってくれたのは、競技区間中はMechanic/Navigatorとして中央席で車両をOperationする、Yuji Mochizuki。
『Yujiの走りかたは、外から聞いていると、アクセルの入れ方で分かるな(笑)』っというReviewもあり実に興味深い。
数回の走行を繰り返し、Service Parkに収まる姿は、まさにDakarのBivouac Areaそのもの。
ここでは、全国の日野自動車販売会社メカニックの選考会から選抜されたMechanicに、実戦における1日の流れのSimulationを実施。
「ちょうど、このぐらいの暗さで車両Maintenanceが始まる」
「今日は晴れているけど、Dakarはそれなりの頻度で降雨もあるし、車両を洗い流した後に下に潜れば当然濡れながらの作業になることもある」
Test 2日目は豪雨でのStartとなり、Sugawara選手、Crewにとっても昨日とは異なるConditionでの貴重な国内Testとなった。大きなTroubleも無くTest走行を無事に終えることができた。
Dakar 2024での活躍を見逃すな!
■After Word
最後に、これまでもOff Road Racingに参加していたとはいえ、何故TokyonurでHinoのTruckをFeatureする繋がりがあったのかということに関して、深く語ることは無いが、下記をご覧いただくと理解と推察が進むかもしれない・・・
「逆輸入した愛車でレースに挑む」が特定のSceneのヒトには刺さるであろう、2019年の日野自動車の企業情報ページ。