PHOTO & TEXT : HIRO MURATA (TOKYONUR)
■Cahpter.01
近年、ラダーフレームではないCompact SUVのトレンドは、ストラットスペーサーを噛ませて2inch未満の範囲でリフトさせて、All TerrainやMud Terrain Tireを履かせるのだ・・・という誰でも分かりきっていることはひとまず置いておこう。
日本市場においてHonda CR-Vは販売面で物凄く苦戦している、・・・ではなくて、北米の地でもTundra、Tacoma、4 Runner、RAV4で固められたトヨタ陣営には全く歯が立たないのが実情だ。
そしてデザインが急激にマイルドとなり顧客離れを加速させた第3世代X-TRAILとは対照的に、日本ではRAV4は絶好調。所謂”GO OUT世代達”へのウケが良いのだろう。
では、そんなRAV4の1強状態でありながらも、指針となるビシキマなRAV4が存在しないのは何故だろうか。そもそも、北米でRAV4はアウトドアフリークやオフロードユーザーが好んで乗っているかと言えばそうではなく、なんでもかんでもOverlandって言えばカッコ良くなるわけではないのだ。
■Chapter.02
そこで、本田技研工業とThe Check Shopからの指針となる1台が、CR-V BLACK EDITION Custom Concept with THE CHECK SHOPというわけだ。
足回りの構造的にロングトラベル化は困難な為、リザボアをチラ見せするJRZ 3Wayをオフロード用に制作し程よいリフトアップを実現。
一見ノーマルと見まごう20mmワイドのフェンダーはKohlenstoff Tuningで発売が予定されている。
BAJA DesignsのLight Barがマウントされたローフォルムのルーフラックはワンオフ。
ホイールは純正から1インチダウンの、Agio FHC(17×8.5/鍛造)を新規に制作。気付く人にとってはハッとさせられるデザインだ。
足早にスペックを先に紹介したが、自動車メーカーの展示車両名に、街のチューニングショップの名前が入るというのは極めて異例だ。アメリカではそこまで珍しい事ではないが。
とは言っても、”本田技研工業が町のポルシェ屋に?”そう感じた人も少なくはないだろう。
近年では水冷ポルシェを”レーシング”と”オシャレ”(敢えて日本語)の両面で訴求するイメージが強いThe Check Shopだがその歴史は古い。
雑誌”Daytona”がまだ黄色表紙の頃。Daytona J’sが産声をあげる直前くらいだろうか。スポコン、USDMが日本に根付き始めた時代に、Daytonaの誌面で頻繁に見かけていた北米の香りがする不思議なShopという雰囲気だった。
その後、”大きな転機となったはE60 M5でFuji Speedwayを走るようになってから”っと語る人は多い。そこで培ったドイツ車のチューニングとコミュニティが現在のThe Check Shopのノウハウの幅の広さに繋がっている。
日本のElement、CR-Vオーナーなら全員知っていると言っても過言ではない、北米のJ Sportがホンダ車に特化したアフターパーツの発開発と販売を行っているが、ビジネスとして成立しているのか実際問題かなり疑問が残る。しかし、これも指針となるクルマ造りの提案として、必要な要素なのだと思う。今回はJ Sportの役割をThe Check Shopが担ったといって良いだろう。
東京オートサロンに続き、大阪オートメッセでも本田技研工業のブースへ展示されるので、是非そのディティールをチェックしてみてほしい。
■Chapter.03