Photo & Text : Hiro Murata (TOKYONUR)
Tokyo Auto Salon 2020 // Part.03 – “Overview”
■Chapter.01
・HKS
A90向けのアフターパーツを多数リリース。Legendary corlorの1台に目を奪われがちだが、オリジナルのワイドボディーキットのデザインをより明白なものへとする為に、WhiteのDuck Tail仕様も併せて展示された。
・TRA-Kyoto
Tokyonur界隈という謎の”界隈”で最も注目が高かったのがB110サニー(LHD)だ。というのもサニトラで走れて魅せるドリ車として製作途中のFreee’s Denstyleも、Miura-sanデザインのフロントバンパーが非常に気になるようで、「高画素の画像をクレクレ君」と化していた。ここ数年ニッチな旧車向けのボディーキット化が多かったPandemだが、B110に関しては装着車両が増えそうな予感がする。
SEMA Show直前に発表された、衝撃的なAE86のワイドボディーキット。それはカーカルチャーにおける伝説的なヒーローカーのAE86をターゲットにしたということも多いにあったが、AE86であのサイドシルの低さを実際に再現できるのか?という4AGギーク達からの声も多かったのは事実。
制作は関西の名門”轟自動車”で行われたが、製作途中の段階でもそのロースタイルの実現が最大のネックとなり、SNSでは名工たちを苦しめる姿をうかがえた。
・RAYS
RAYSブースのセンター。それはカスタムカー/チューニングカーとって最上級の名誉ともいえる展示スペースだ。2020年はKazama Autoの新作Body Kitを装着したLexus RCが鎮座した。この車両は、Formula D Japanで活躍するAndrew Grayのニューマシン。長年の愛機JZX100からのマシンチェンジの結果が非常に気になるところだ。
・Lexon
レモンサワー親方・・・いえ”Lexus一筋”高砂部屋の高砂さん。マイナーチェンジされたRC Fのリップスポイラーをリリース。直前まで粘土をコネコネし続けていた模様・・・レモンサワー解禁日に行けなくてすみません(笑)
・Top Secret
浮き沈みの激しいチューニング業界で沈むことなく常にトップで在り続けるTop Secret。事実、日産/Nismoから頼られるほどの企業スケールを誇り、チューニングからレストアまでありとあらゆる作業を熟す。毎年のように進化を遂げるGT-Rと共に、アップグレードパーツを開発/リリースを続けている。
RB30を搭載したHGC210 Skyline Japanはチューニングカー部門・優秀賞を受賞した。
・Varis
スキャニング/CGレンダリングによるボディーキットデザインが主流となりつつある昨今。Varisはクレイモデラーによる手業に拘り続けている。勿論、時には現代の技術を使用しているが、クレイモデラー職人でしか再現出来ないボディーラインこそがVarisの独自性のヒトツの要素なのである。
TCRルックな新しいフロントバンパーを装着したCIVIC TYPE R ARISING-2。
チューニング業界の新しいお題として400Rを早速モディファイ。
・Cusco
走り一辺倒のCuscoらしからぬ色気を出していたのが、A90 Supra。Prodriveのブラッシュドホイールが走れるお洒落感を漂わせていた。控えめなオーバーフェンダーこそ装着しているが、実質ナロールックなA90 Supraとしては個人的No.1のバランスの良さを感じた。
さり気なくUSグリルに変更されているCorolla Sports。
・Liberty Walk
賛否両論と言ってしまえば、Kato-sanの狙い通りなのかもしれない、往年のワークスカラーを纏ったER34のシルエットシリーズ。ミウラ、308GTBに継ぐ、話題性に全フリした思い切りのよいShow Carだ。ガワだけに目がいきがちだが、エンジンもRBからL型に変更されている。大きく好みがわかれるクルマであるのは間違いない。何度も言うが、それも狙い通りなのだろう・・・
一方で、NSX(NA1)は嘗て人気を博したLB WORKS時代のデザインテイストとなっており、クセの強いシルエットシリーズよりは受け入れやすいデザインとなっていた。
・Car Modify Wonder
4drドリ車の老舗”Wonder”も近年はS-Chassisにチカラを注いでいる。今年はS15とS13を展示。Wonderのエアロパーツはフルエアロでコンプリートしなくとも、他社製エアロパーツと混在させても、デザイン面でのバランスが取れる絶妙なデザインが魅力だ。Haruyama-sanも、ホントはフルキットで買って欲しいのだろうけど(^^;
・326 Power
Sato-san(Badquality)が、”Cyber Formula Asurada GSXだ”と語ってから、どうにもAsuradaにしか見えなくなってきた、ガチャバリワイドキットを装着した86。アクの強すぎるデザインとディティールに突っ込みを入れたくなるヒトは少なくないようだが、他社と似たようなエアロを造るなら、度肝を抜くモノ造りをしてSNSを掻きまわした方がその名を世界に知らしめることができるという確信犯なのであろう。
・Koyorad
多くの自動車メーカーが、一部の伝説的なスポーツカー向け消耗部品再販プログラムを開始させるなか、KoyoradはGC10/KPGC10のラジエターASSYをリリース。真鍮製上下タンク、ブラケット、バッフルプレートを完全復刻させた。これには、あの“Jun Imai-sanも感動モノだった。
・R1Titan (Amuse Corporation)
今年のTokyo Auto Salonの出展リストに名を連ねていたR1Titan。これは紛れもなくTokyo Auto Salonへ復帰を果たした”Amuse”だ。しかし多くの関係者は深くは触れようとはしない。それは存在がセンシティブなブランドとなってしまっているからだ。
これまでTanabe-sanの意志を次いでAmuseの看板を背負っていたPower House Amuseと、秋田に店舗を構えるAmuse Corporationによる裁判問題は混沌としたものであった。裁判問題が尾を引き双方共に悪いイメージを被ってしまったが故に、メディアへの露出機会が激減した。
問題の引き金と真相は当事者のみぞ知る領域であるのでここで語るようなことはないが、Amuse CorporationがR1Titanブランドでのリスタートが開始された。伝説のS2000 GT1を2台展示していたことで、これまでの歴史と未来(Tanabe Heritageと新規S2000 GT1)を感じさせるように見えてはいた。
とても難しい問題ではあるが、現時点でどちらがニセモノだなんだと当事者以外が騒ぎ立てるのは如何なものかと。
■Chapter.02
勢いの強かったブランドの浮き沈みだけでなく、紆余曲折を経て表舞台に戻ってきたチューナーの姿もあり、実にドラマチックな日本のチューニング業界の縮図を垣間見ることができた今年のTokyo Auto Salonであった。
※The Check Shopブース関連の話題は別途ポスト予定。
■Bonus Images