Photo & Text : Hiro Murata (TOKYONUR)
Tokyo Auto Salon 2020 // Part.01
■Chapter.01
“スープライヤーだからね” ”SEMA Showでもスープラばかりだったしね”
という予定調和の切り口で始めるには、想像力の欠如でしかない。
■Chapter.02
・Toyota
昨年11月に発生した大規模森林火災を受けキャンセルされたWRCオーストラリア。Yaris GR4のワールドプレミアもその影響で順延され、Tokyo Auto Salonでのお披露目となった。
Cerica GT-FOUR以来のGR-FOURと名付けられた新しい4×4システムは、フロントに多くの駆動割合を配分するありがちなものではなく、リヤには最大70%の駆動配分が行われ、4×4スポーツカーとしては理想的な挙動を楽しめるものとなっている。
Tom’sブースには、Morizo-Shachoの悪乗りで誕生したセンチュリーGRMNに対抗するかのようなTOM’S CenturyとTOM’S Supraが並んだ。
日々都内を走っていると、新型センチュリーへの乗り換えが進んでいることを体感できる。そこにビジネスチャンスが潜んでいるのかは定かではないが、TOM’Sは2800万円というプライスでコンプリートカーを販売予定。もはや安いのか高いの分からないが、日本のドメスティックなセンチュリーを更に高みを求めたい所有者にとっては魅力的なのかもしれない。
A90 Supraは、メーカー直系のTOM’Sでありながらナローボディーではなくてワイドボディーで勝負をしかけてくるというのは、ナローボディーでの訴求力よりもワイドボディでの旨味を感じての采配だろう。
日本の若者の間でジワジワ浸透している、Corolla Sportsを始めとしたCorolla Sedan/Touringのカスタムコンセプトモデルにリソースを注いでも良いようにも感じた。今年はCusucoブースに展示されたArisa Modelの1台のみだった。
・Nissan
日本の新しいスポーツカーは全てトヨタ車だけといった状況のなか、日産エンブレムと400Rという物騒な名前で復活したスカイラインは、今後のチューニング業界のお題としての可能性を感じた。マイナーチェンジなのでモデルライフとして今後長いものでは無いだろうが。
個人的には前期フェイスの方が好みではあるが、このマイナーチェンジは実に効果的で販売台数も上々のようだ。IMPULとR31 HouseはINFINITIブランドの新車販売プログラムも開始している。
・Honda
ご丁寧にヴェールに包まれて、魅せるものがシビック Type R(FK8)のマイナーチェンジモデルなのか・・・
という思いとは裏腹に、ホンダブースの最奥地の暗がりに展示されたCR-V Black Edition Custom Concept with THE CHECK SHOPが実に輝いていた。打倒RAV4と言わんばかりの「適正な」カスタムコンセプトモデルだ。
詳細は別途ポスト予定だが、自動車メーカーが言うならば街のチューナーの名を冠したコンセプトモデルを展示するというは異例中の異例だ。
一方でHonda Accessのブースに展示された、EK9(S660のメーターが・・・)とS2000(ディスコン部品の影響は大きく各所にヤレが)には何も未来を感じることが出来なかった。
■Chapter.03
輸入車メーカーの多くが撤退した東京モーターショーとは対照的に、メルセデスベンツ、アストンマーチン、マクラーレン、ボルボ、そしてシボレーにいたっては新型コルベットのジャパンプレミアの場とするなど実に華やかな会場となった今年のTokyo Auto Salon。
単純に開催期間が3日間と短く、出展コストを抑えられ、確実な入場者数を見込めるパッケージングに、自動車ショウとしての価値を高めてきた結果だろう。
自称自動車評論家は、いまだTokyo Auto Salonを「オラオラ系イベント」と表現するが、実体としてはマニュファクチャラー、チューナー、そして伝統的な”オラオラ系”、が同居し世界中のカーショウに肩を並べるどころが、異常な進化を遂げたきた。
個人的にはSEMA Showよりも魅力を感じている。それは作り手が前日まで作業で悶絶する姿が垣間見えることが大きいかな。
Part.02ではその作り手たちの作品をFeatureしたいと思う。
■Bonus Images