PHOTO & TEXT : HIRO MURATA (TOKYONUR)
Special Thanks : Daisuke Jomoto (Spoon) // Type One //
Special Thanks : kazunori Kizu (Blue Label Auto Engineering) // Naohiko Otsuka (The Check Shop) // Hiroyuki MItamura (Freee’s Auto and Customs) // Yoshinori Shikata (S&Company East) //
■Chapter.01
90年代の自動車カスタムにおける象徴的な存在のホイル。それがSW388だ。特に15inchの小径ホイールはSW388のHonda Tuningにおけるアイコニックな存在といっても過言では無い。
1999年に製造が終了され、2017年にFK Civic専用として18inchのサイズが復刻された。復刻といっても過去のモデルそのままではなく、当然の如く現代の車両設計やそれまでの期間に培われた近代技術が惜しみなく投入された。
しかし、日本の多くのファンは伝統的な15インチの発売を切望した。
私にいたっては、環八アートサロンで毎年のように「Jomoto-san!15inchをお願いしますよ!!!」と毎年懇願(笑)
Imamura-sanも『何に履かすのよ!まさかエレメント!?ないない!!』と最初は苦笑い。
で、2019年にひょんな事から試作ロットを制作する予定があり、プロトタイプとして製作して頂く事に成功し、ホイルとタイヤのインストールは4月末に完了していた。
1本/5.5kgという強烈な重量に多くのカーフリークが驚愕。そりゃそうだ・・・伝説のSW388の看板背負ってまますからね。Mud TerrainとUltra Lightな鍛造ホイルという、なんともミステリアスな組み合わせ。
同時に、発売されたばかりのクロームモリブデンのナットを装着。ナットのサイドにはSpoon Sportsの刻印入りだ。
ホイルと同様に新作のBF Goodrich Mud Terrain KM3、Stoptechのローターとキャリパーをインストールした後、Spoon本社へ。
※全ての作業工程に関しては後述。
Ichijima-san『良いじゃない!キャリパーも入れようよ。』
Imamura-san『15インチは小さいタイプのキャリパーであっても、キャリパー自体のハイト的に無理なんだね。』
・SPOON SPORTS – SW388 15″8J +35 5H 114.3
https://www.spoonsports.jp/products/accessories/Wheel
※今回エレメントに装着したSW388はプロトタイプの為、市販される製品のオフセット、重量とは異なります。SW388 15 inch 8J +32 5H 114.3
・SPOON SPORTS – WHEEL NUT [CRMO] M12xP1.5 17HEX
https://www.spoonsports.jp/products/accessories/details/ALL-90304-C12
■Chapter.02
乗り出してスグにわかる、転がり抵抗の少なさ。ホイールを16インチから15インチにインチダウンしているが、外径自体は16インチの時にセットしていたMud Terrain KM2よりもKM3は僅かにアップしているにも関わらずだ。
旧世代のリーガマスターは「軽量が故によく割れる。」といった評判も少なくなかったが、現代の技術を投入され復活した現行のSW388は先日のDirt走行においても、割れ、ヒビ、歪みは一切無かった。
BF GoodrichのMud TerrainのニューモデルKM3に関しては、雨天のアスファルトでのグリップが向上した。但し、突き上げ感はKM2よりも強くロードノイズも若干煩くなった。
ダートの走行では、トラクションを掛けた際に若干横方向へ車体が流されがちだが、これは偏平率が大きく影響していると思われる。
※外径、扁平率、共に以前装着していた16インチのKM2とは異なるので、厳密な比較にはなっていないので参考までに。
■Chapter.03 – Spoon Jomoto-sanに深イイ話しをお聞きする事に成功した。
■SW388の名前の由来は何でしょうか?
『388は当時ターゲットにした重量(Kg)という事は知られていますが、SWはSpoon Wheelの略です。』
■SW388をFK8のタイミングで復刻させた理由
『SW388はシビックの為のホイルという位置づけでスタートしたホイルなので、10代目のシビックのFK7ハッチバックがデビューしたタイミングで復刻しました。FK8用はその派生となります。』
■今も昔もその違いを知る人は多くはなく、リーガマスターと異なる立ち位置となっているのは何故でしょう?
『リーガマスターの開発段階で共同開発のお話を頂きました。当時はリーガマスターは大型車用として17インチ以上をメインに開発し、私たちのSW388はシビック用の15インチとして開発を行いました。』
『白ペイントのリーガマスターと黒アルマイトのSW388は兄弟のような存在です。』
■待望の15インチ4穴はWekfest Japan 2019の会場でLowered 2 PerfectionのMitsu-san
さんがEJ1に履かせていましたが、発売時期は決まりましたか?
『15インチ8J+35のホイルは8月頃に発売します。4H-100と5H-114.3共に同じ35mmオフセットとなります。』
■黄色と青の由来、Spoonの社名の由来はBowls Filmsのビデオで再認識させられましたが、ツルのロゴとType Oneの由来はなんでしょうか?
『ツルのロゴは実は由来は特にないのです。』
『ロゴマークのツルの首から動態にかけた部分はSPOONのロゴのSの文字を斜めから見ると同じように見えます。さらに、ワインディングロードの先に見える水平線から昇る朝日という解釈もあります。特に意味は無いのでお好きな解釈をして頂ければよいと思います。』
『TYPEONEの由来は、TYPE-Rの為のワンストップショップを目指そうということからです。』
『現在はTYPE-R以外の車種も行ってますが、世界中のすべてのホンダ好きの為のワンブランドプロショップとしてナンバーワン?オンリーワン?を目指してスタッフは日々頑張ってます。』
「ありがとうございました。」
クルマ好き、ましてやホンダ好きでも知らない貴重なインタビューだったのではないでしょうか。
■Chapter.04
・作業工程①
BF GoodrichのMud TerrainのニューモデルKM3の装着はBlue Label Auto Engineeringで行った。
Mud-Terrain T/A KM3 – 30×9.50R15
外径自体は16インチの時よりも大経化する為、干渉しそうなインナーフェンダーのカットと叩き作業を行ったが、ショルダーデザインと偏平率の影響もあり、以前の16インチの235サイズよりも干渉部分は減り、クリアランス的にも余裕が出来た。ホイール自体はマテリアルがマットという事もあり、ダスト防止のBlue Labelスペシャル特殊コーティングを施して頂いた。
・作業工程②
5本スポークのデザインの都合上、ノーマルローターでは物足りなくなりStoptechの Slotted and Drilled Brake RotorをThe Check Shopで装着。
Stoptechはハイエンドなブレーキシステムもあれば、このような純正ローター交換タイプも幅広くラインナップしているので是非お試しあれ。なにより見た目も良いしね。
・作業工程③
大幅なバネ下重量の軽量化を果たした事で、フロントのスプリングを326 PowerとSwift Springのコラボレーション”マジバネ”の14キロに変更。作業はお馴染みFreee’s Auto and Customsで行った。
スプリングのトップブランドであるSwiftの技術が惜しみなく注がれているだけあって、ハイレートではあるものの小刻みに発生する路面のアンジュレーションを吸収してくれているのを感じ取れた。
・作業工程④
そして最後に、お披露目撮影の為にフロント周りのボディケアと跳ね石によるひび割れが発生していたフロントガラスの交換と、プロテクションフィルムのClearPlexの再施工をS&Company Eastで行った。
薄々みんな気付いていたフロント周りの日焼けも実は何回塗りなおしたかわからないくらい、ケアはしているのだけどやっぱり熱を持つ場所だけに痛みは激しかった。今回左右の劣化誤差を含め違和感が出ないように見事リペイントする事に成功した。まるで新車の気分だね。
正直に言うと新車で購入して15年、オールペンして13年目のこの艶消しオレンジで在り続ける事に飽きもきていたし、来年あたりに全く別の色にオールペンをする事も考えていたのだが、多くの周囲の仲間からの熱烈な『このクルマはこの色以外アリエナイでしょ!』という助言をもとに、生涯この色を貫徹していこうかなと腹に決めました(笑)